キーワード難易度の評価:DA/PA、被リンク数、コンテンツ品質を総合判断
1. DA/PAだけで見ると難易度を誤る理由
多くの人はキーワード難易度を1つの数字だけで判断します。AhrefsのKD、Mozのdifficulty、SemrushのKD%です。この3つのツールはアルゴリズムが異なり、同じキーワードでもAhrefsではKD 25、SemrushではKD 45と、20ポイントの差が出るのは珍しくありません。1つのツールのスコアだけでやるかどうかを決めるのは、片目で道を見るようなものです。
さらに重要なのは、ツールのスコアはそのドメインの過去の被リンクデータから推算したもので、SERP上位10位にWikipediaや政府サイト、Amazonのような巨大サイトがいるかどうかは教えてくれません。ツールがKD 30と表示するキーワードは、新規サイトでもいけそうに見えますが、検索結果の上位10位にWikipediaやHealthlineが並んでいたら、新規サイトがどれだけコンテンツを書いても太刀打ちできません。これらのサイトの権威性は業界レベルで、コンテンツだけで追いつけるものではないからです。
| 評価軸 | データソース | 新規サイトの通過基準 | 重み付けの目安 |
|---|---|---|---|
| ドメインオーソリティ(DR/DA) | Ahrefs / Moz / Semrushの上位10位ドメインスコア | 上位10位の平均DR < 30 | 30% |
| 被リンクドメイン数 | Ahrefs Site Explorerで各URLの被リンクを確認 | 上位10位の被リンクドメイン数の中央値 < 20 | 30% |
| コンテンツ品質 | 上位10位のページを人が読んで評価 | 3割以上の薄いコンテンツを追い越せる | 25% |
| SERP機能 | 実際に検索してPAA / ナレッジパネル / 巨大サイトを観察 | PAAがあればチャンス、巨大サイトがいればレッドライン | 15% |
4つの軸がそれぞれ重みを持ち、合計して初めてそのキーワードの本当の難易度になります。新規サイトは最初の6か月、4つの軸すべてで基準をクリアしたキーワードだけを狙います。ドメインが1年以上で、50記事以上のコンテンツがあるサイトなら、DR 35まで緩めて構いません。難易度を判断したら、次は検索意図の分類と組み合わせて、どのページタイプで狙うかを決めます。
2. 3軸評価の具体的な手順
ツールの一括スコアに頼らず、自分で1回確認します。1キーワードあたり約5分です。以下が標準的な流れです。
| ステップ | 操作 | 確認するデータ | 判断基準 |
|---|---|---|---|
| 1. 上位10ドメインを取得 | シークレットウィンドウで対象キーワードを検索し、上位10件のURLを記録 | どんなサイト、どんな種類か | Wikipedia・政府・大手サイトがあれば即除外フラグ |
| 2. DR平均を確認 | 10ドメインをAhrefsのBatch Analysisに入れる | DRの平均値・中央値 | 平均が30未満なら挑戦可、40超なら諦める |
| 3. 被リンクドメインを確認 | AhrefsでURLごとにreferring domainsを見る | 上位10ページそれぞれの被リンクドメイン数 | 中央値20未満なら追える、50超なら手を出さない |
| 4. コンテンツ品質を読む | 上位10ページをざっと見る | 文字数、表の数、更新日、著者名 | 薄い内容が3本以上あればチャンス |
| 5. SERPの機能枠を確認 | PAA、画像パック、動画、ショッピング広告を観察 | PAAの出現頻度と質問数 | PAAが多いほど内容に隙があり、FAQ構成が有効 |
シナリオ例1:「aluminum extrusion profile types」というキーワードを評価するとする。ツールのKD表示は35。SERP上位10件を検索すると、6件がアルミ形材メーカーの製品ページ、2件が商社のブログ、1件がWikipediaの項目、1件が業界ディレクトリだった。DRを確認すると、上位10件の平均DRは28、WikipediaはDR93だが8位。被リンクを確認すると、製品ページの被リンクドメイン中央値は8個、Wikipediaは8位だが被リンクは数千個。内容を読むと、6件の製品ページのうち4件は製品画像と型番リストだけで、分類の説明がなかった。判断:DR平均は基準をクリア(28未満30)、被リンク中央値も基準をクリア(8未満20)、内容に超越の余地あり(4件の製品ページが薄い内容)。結論:このキーワードは狙える。製品ページより内容の濃い「アルミ形材分類の完全ガイド」を作る。
シナリオ例2:同じツールでKD25と表示されるキーワード「CNC machining tolerance grades」。SERPを検索すると、上位10件のうち3件が機械工学の教育機関(DR70以上)、2件が工業標準協会の公式サイト、残り5件がメーカーの技術ブログだった。DR平均を確認すると、上位10件の平均DRは55。被リンクを確認すると、教育機関のページは被リンクドメインが数百個。判断:ツールのKD表示は25でも、SERPに教育機関や標準協会のような権威サイトが並ぶため、新規サイトでは上位10件に入れない。このキーワードは諦め、「CNC milling tolerance grades for aluminum」のようなロングテール派生語を探す。
三、コンテンツ品質:今日あなたが唯一コントロールできる変数
DAと被リンクは過去の積み上げで、1か月でDRを10から40に引き上げることはできない。しかしコンテンツ品質は今日から投入できる変数だ。上位10件のコンテンツ品質を評価するときは、4つの明確な指標を見る。
| コンテンツ品質の指標 | 薄い内容の例 | 超越の基準 | あなたのページの作り方 |
|---|---|---|---|
| 文字数の深さ | 800字未満で、製品画像と型番だけ | 上位10件に1000字未満が3本以上 | 2000〜3000字で、分類・パラメータ・事例を含める |
| データ表 | 表がなく、画像と文章だけ | 上位10件の多くに構造化された表がない | 少なくとも3つの比較表(パラメータ、公差、価格帯を含む) |
| 更新頻度 | 最終更新が2年以上前 | 上位10件のうち5件以上が12か月以上未更新 | 更新日を明記し、年1回以上データを更新する |
| E-E-A-Tシグナル | 著者署名なし、資格なし、出典引用なし | 上位10件の多くに著者と出典の記載がない | エンジニアの署名、業界標準と顧客事例を引用 |
E-E-A-Tは漠然とした概念ではなく、YMYL系キーワードで上位表示できるかを直接左右します。B2B工業サイトにおけるE-E-A-T構築の方法はこちらE-E-A-T:B2Bコンテンツの信頼性シグナル。コンテンツはどこまで作れば十分かは、文字数ではなく、上位10件のページが検索者の本当の疑問に答えているかで決まります。PAAに表示される質問に上位10件がどれも完全に答えていないなら、あなたが答えればチャンスです。
四、サイト段階別の難易度許容度
すべてのサイトが同じ基準を使うわけではありません。サイトの年齢とコンテンツ量に応じて、難易度の許容度を調整します。
| サイトの段階 | ドメイン年齢 | コンテンツページ数 | 上位10件のDR基準 | 被リンク中央値の基準 | 推奨月間生産数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新規サイト立ち上げ期 | 6か月未満 | 30ページ未満 | 30未満 | 15ドメイン未満 | 月8〜12記事 |
| 成長期 | 6〜18か月 | 30〜100ページ | 35未満 | 30ドメイン未満 | 月6〜8記事 |
| 成熟期 | 18か月以上 | 100ページ超 | 45未満 | 60ドメイン未満 | 月4〜6記事 |
新規サイト期はビッグワードを狙わないこと。多くのチームが最初から「CNC machining service」のようなビッグワードを狙い、ツールがKD 50と表示し、SERP上位10件がすべてDR 60以上の成熟したメーカーという状況で、半年やっても50位以下から抜け出せません。正しい進め方は、まずロングテールワードでコンテンツと被リンクを積み上げ、サイトに50記事以上あり、DRが25以上に上がってから、DR 35〜40のワードに取り組むことです。被リンク構築の進め方はこちら被リンク構築とデジタルPR。
シナリオ例3:あなたのサイトは公開3か月、DR 12、コンテンツ15記事。キーワード「anodized aluminum finish types」を評価すると、上位10件の平均DRは22、被リンク中央値は6ドメイン、うち4件は薄いコンテンツ。このワードは基準内なので、やる。この記事を書き終えてから6週間で12位になり、被リンクとコンテンツ更新を続けて3か月後にトップ5入り。同じ時期に「aluminum extrusion」のようなビッグワードを狙っても、上位10件の平均DRは70で、1年やっても上位には入れません。
五、実践:難易度評価チェックリストを作る
すべてのワードを一から調べ直す必要はありません。標準化した評価表を作り、毎回5列を埋めれば1ワード5分で済みます。
| 評価項目 | データの取得方法 | 合格基準 | 基準を満たさない場合の対応 |
|---|---|---|---|
| SERPに巨大サイトがあるか | 手動で上位10件を検索 | Wikipedia・政府・DR 80以上の巨大サイトがない | 巨大サイトがあれば諦めるか、ロングテールの変種に変更 |
| 上位10件の平均DR | Ahrefs 一括分析 | 新規サイトは30未満、成長サイトは35未満 | 基準を超える場合は、DRがより低い近隣ワードを探す |
| 上位10件の被リンク中央値 | AhrefsでURLごとに確認 | 新規サイトは15未満、成長サイトは30未満 | 被リンクが多すぎる場合は、先に被リンク構築が必要か検討する |
| 内容は空間を超えられる | 手動でトップ10を確認 | 3割以上が薄い内容か情報が古い | トップ10が強すぎるので、この語は捨てる |
| PAAのチャンス | SERPのPAA枠を見る | PAAの質問が4つ以上ある | PAAがなければニーズが明確なので、深い内容を直接作る |
評価が終わったら、基準を通過した語を検索ボリュームと商業価値で並べ、コンテンツのスケジュールに組み込む。ロングテールキーワードの掘り起こし方扱うのは語がどこから来るかで、本記事が扱うのはその語をやる価値があるかどうか。両者は組み合わせて使う。サイト全体のコンテンツ監査と語彙整理の方法はこちらサイト全体のコンテンツ棚卸し。
FAQ よくある質問
AhrefsのKDスコアとSemrushのKDはかなり違う。どちらを信じる?
新規サイトは公開からどれくらいで中難度のキーワードに取り組める?
SERPトップ10にWikipediaがある場合、この語はまだ狙える?
内容の質がトップ10よりずっと良ければ、被リンクの差は埋められる?
100個のキーワードの難易度を素早くまとめて評価するには?
Moz の PA と Ahrefs の DR はどちらを見るべきですか?
最後に
キーワード難易度の評価で大切なのは、完璧なスコアを探すことではなく、自分が安定して実行できる判断基準を持つことです。ツールは変わり、アルゴリズムも更新されますが、「上位10件の実データを見る」という方法は古びません。
実行は3ステップです。今週は5列の評価表を作り、キーワードリストの上位20語を1つずつ3つの観点でチェックします。来週は基準を通過したキーワードを商業的価値の順に並べ、今後3か月のコンテンツ計画に組み込みます。3週目に1本目の記事を書き始め、書き終えてから6週間後に順位の変化を見て、自分の難易度基準が妥当かどうかを調整します。
覚えておきたい一言。ツールのスコアは天気予報、SERP の実状は外出時に傘を持つかどうかです。天気予報を見て外出するかどうかを決め、外で雨が降っているかを見て傘を何本持つかを決めます。
